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ふしぎの海のナディアpetit in 神戸海洋博物館 [兵庫]

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最近、アニメの関連資料の巡回展がとても増えました。貴重な資料が近くで見られるメリットはありますが、主目的は宣伝でしょう。あるいは、グッズ(版権)の収益かもしれません。忘れ去られてしまうと、そのコンテンツの購買力は失われてしまうため定期的に掘り起こされるのかもしれません。人気が再燃すれば続編制作につながるものも出てくるでしょう。

ふしぎの海のナディアはエヴァンゲリオンの庵野監督作品であるため、話題になることも多い作品です。数年前にテレビで再放送が行われました。その際に、断片的な記憶しか残っていなかったため、再放送でも初見くらい楽しめました。それからまた時がたちました。恐ろしいことに、また記憶の断片化が起きているようで、ストーリーの詳細が思い出せません。集中してみていなかったのか、そういう造りの物語なのか、記憶力の限界なのか。次に見るときもまた楽しめそうです。

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さて展示ですが、メインはマクロス展と同じように設定資料の展示で、映像展示が間に挟まれます。特に企画当初からの変遷は面白いですね。最初期のナディアはもっとアフリカ系の顔立ちをしていましたし、ジャンもおとなしそうな印象でした。グランディスの設定資料もありましたが、「グランディスの初期の名前はグランバァというのか」と勝手に理解して納得していたら、調べてみるとグランディスのフルネームはグランディス・グランバァなので変わったわけではないのですね。早とちりでした。

放映当時のイラストも展示され、とても気分が盛り上がります。ストーリーを頭に叩き込むためにもう一度通しで見ないといけません。なお、ストーリーを忘れてしまっていても鑑賞自体に大きな問題はないと思われます。

この展示は完全時間予約制です。といっても、殺到するような展示ではなく既に各地の展示が終わった後の最後の巡回のため空いていて、当日券も販売されていました。入館にはセル画の特典も付きます。自分のもらったものは謎の海シーンでした。どこのシーンだか調べるためにもやっぱりもう一度見なければなりません。


ふしぎの海のナディアpetit in 神戸海洋博物館

~10/22(月休) 10:00~17:30 500円(別途海洋博物館への入館料900円が必要です)

最寄りバス停はポートループのメリケンパークです。

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本と温泉 城崎裁判など [兵庫]

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新型コロナウイルスの影響でなかなか遠くへ行くことができません。観光地は逆の立場でなかなか人に来てもらえません。分かっていることとはいえ、モヤモヤします。1年で収束するかと思いきや、ついに季節の2周目を進んでいます。

人が訪れづらくなった観光地では何とか工夫して売上を出さねばなりません。それどころか、今ではポストコロナの時代まで生き残っていられるように、忘れ去られていないようにというレベルの話になっています。ワクチンの接種開始が始まった一方で、変異ウイルスが蔓延しだしたりと出口の時期が見定められません。

有名な観光地の一つである城崎温泉も大変でしょう。おそらく城崎温泉を知らない人は少ないと思われます。城崎温泉と言えば志賀直哉の「城の崎にて」が有名ですが、数年前から町おこしの素材として「文学」を取り上げています。活躍中の作家に城崎温泉をテーマにした作品を書いてもらい温泉街でのみ販売するという変わったスタイルのものです。

その「本と温泉」レーベルのものには、万城目学の「城崎裁判」、湊かなえの「城崎へかえる」、tupera tuperaの「城崎ユノマトペ」があります。城崎温泉でのみの販売というだけでも面白いのに、写真のように装丁がぶっ飛んでいます。「城崎裁判」はタオル地のカバーに防水紙への印刷で温泉に浸かりながら読める本です。「城崎へかえる」は蟹です。「城崎ユノマトペ」は下駄です。どれもこれは本かと疑うほどの見た目です。

実は新型コロナの外出自粛応援として、先月まで一部店舗で通信販売が行われていました。ということで、今回入手することができたのです。本当は現地に行きたいのですが、なかなか機会に恵まれず・・・手に入れられないだろうと踏んでいただけにありがたい限りです。なお、これらの本は初版限定の企画ではなく、何度も増刷されていますので、入手困難になることはないようです。今話題の転売ヤーの毒牙にかかるのも残念の極みですからね。

さて、記事の公開が入手してからしばらく経ってしまったのは、読んでからにしようと考えていたからです。ひとまず「城崎裁判」を読みましたが、万城目ワールド全開の作品でした。例えるならば、「鹿男あをによし」と「こぶとりじいさん」を混ぜた作品と言ったところでしょうか。落ち着いた冷静な文章の書き出しに始まるのですが、いつの間にか展開に飲み込まれて読破してしまいました。しかし、作品を理解する上で、志賀直哉の「城の崎にて」を読んでおいたり、実際に現地で城崎温泉の地理を体感しておくと、より一層作品が入ってくるのだろうと感じました。

新型コロナウイルスのもたらしたモヤモヤは社会を、自分を見つめ直す機会となり、作家の人たちに多大な影響を与えることでしょう。その結果、新しい魅力のある作品が生まれることを期待したいです。そうでなければ、この浪費した年月を前向きに消化することはできません。



本と温泉レーベルの本は城崎温泉内の旅館や物産店で入手することができます。

城崎温泉の最寄り駅は山陰本線の城崎温泉駅です。

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兵庫県立美術館 天野喜孝展 [兵庫]

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天野喜孝氏と言えば、多くの人がファイナルファンタジーシリーズのキャラクター画を思い浮かべるのではないでしょうか。

しかし、ゲームをしたことがない自分としてはグインサーガの表紙絵の作者としてのイメージの方が強くあります。

実はこちらも小説そのものを読んだことはありません。

しかし、本屋の文庫本コーナーで平積みになっているのをよく目にしていたので、とても印象に残っています。

90年代頃でしょうか。

展示即売会のようなものも頻繁に行っていたような気がします。

もう一人同時によく展示会を企画されていた女性の画家がいたのですが、名前が出てきませんでした。 

 

そんな天野喜孝氏ですが、特徴的なタッチの絵は忘れることはないでしょう。

画面いっぱいに広がるデザインに現れる登場人物は、よく見ると仏教絵画の目を持っているようにも見えてきます。 

そんな重厚な作品の作者でありながら、この展覧会で初めて「みなしごハッチ」や「ガッチャマン」や「タイムボカン」のキャラクター原案を作ったと言うことを知りました。

全く絵の雰囲気が異なります。

それらの折衷デザインのような絵画作品(アートとしてのガッチャマンやドロンジョ)が展示されていたのですが、それはとても味のあるもので、額装して飾りたくなる逸品だと感じました。

そのような作品を見るとイラストレーターという肩書きが不釣り合いで、純粋に“画家”として表現して良いと思います。

解説にもあるように、アニメ界出身なだけあって躍動感溢れる線を用いた描き方が、氏の最も本領を発揮できる画題であると思います。

ですので、ファイナルファンタジーのキャラクターの原画はおとなしいポージングで、少し物足りなく感じました。 

個人的には中期頃の作品が好みで、近年の黒塗り背景の作品は氏の流れる線描との境界がきれいに分離できていないような気がして不自然さを感じてしまいました。

背景が金色だと違和感を感じないので、黒い色と線描との対比のせいなのかも知れません。

作品では「花天」「魔天」が特に気に入りました。

 

そして展示の最後の部屋は前代未聞の写真撮影可のエリアとなっています。

最も新しい作品群で、色使いのはっきりしたポップアートのような巨大な作品が多数飾ってありました。

これまでとは180°違うような描き方に驚きました。 

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イメージとしては村上隆にも近いかも知れません。

 

新しい方法を試み、次にどのような世界が待っているのでしょうか。 

 

兵庫県立美術館 天野喜孝展

~8/30(月休) 10:00~17:30 一般1200円 大学生1000円

最寄り駅は阪神電車の岩屋駅です。 


鉄人28号モニュメント スペシャルライトアップ2010-冬の陣 [兵庫]

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静岡の原寸大ガンダムにならんで神戸市の鉄人28号の巨大なモニュメントも話題になっています。

そのモニュメントがライトアップされるイベントが行われました。

今年の夏に行われたライトアップが好評だったために冬も冬の陣として計画されたようです。

 

山陽本線の新長田駅を降りると駅前に開けた商店街があります。

その中の大丸のビルを抜けて裏側へ出ると若松公園があり、そこに鉄人は立っています。

昼間は1枚目の写真の通り、巨体を南側に向けている様子が見て取れます。

大丸の2階からは、午後5時までですがデッキが開放されていて上から公園を一望するように鉄人を見ることもできます。

鉄人の直ぐ足下まで歩いていけるのがいいですね。

鉄人と人を比べることでその大きさが伝わってきて、リアリティを感じます。

 

そして、午後6時になるとカウントダウンとともに鉄人へのライトアップが行われました[ひらめき]

様々な色の光だけでなく、星形の模様も浮き上がる趣向が凝らされていました。

まるで鉄人の目が本当に光っているようにも見えますね。

 

会場には特設ステージや夜店が作られ、グッズや軽食を販売していました。

なんと言っても特筆すべきはその値段で、お茶は一杯50円、カレーは200円です。

せっかくなのでカレーを食べてみましたが、店員さんがカレーの脇にこんもりと何やら乗せました。

そんなに福神漬けは要らないよ・・・と思いながらいただきましたが、何かが違う・・・牛肉?

実は、この福神漬けのように見えたものこそ、長田の街が売り出しているB級グルメの「ぼっかけ」というものでした。

牛すじとこんにゃくを煮たものでご飯にとても合います。

おみやげ屋でも売られていました。

ぼっかけカレー、なかなかのものです。

 

さて、そんな鉄人イベントにゆるキャラ2体がやってきました。

諸葛亮(孔明)と犬をモチーフにした“コウメイワン”と関羽とオランウータンをモチーフにした“カンウータン”です。

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長田の街は鉄人28号とともに三国志でも街おこしを行っています。

両作品を代表作とする横山光輝氏がこの街出身であることに由来するもので地下鉄に乗っても三国志の看板やラッピングなどを数多く目にします。

ネタの多い町は街おこしも多種多様なものが可能ですね。

 

鉄人28号モニュメント スペシャルライトアップ2010-冬の陣 (2010年実績)

12/10,11 17:00~21:30 (ライトアップは18時から)

 


昼ミナリエ [兵庫]

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冬の風物詩、神戸ルミナリエ[ぴかぴか(新しい)]が始まっています。

近頃は寒さも日に日に増すようになってきました。

神戸にも六甲おろしが吹いています。

 

例年行われているルミナリエですが、毎回止めようという意見がありつつも、16回目を迎えています。

今年のテーマは「光の心情」です。

当初はクリスマスの時期だったように思うのですが、混雑が激しすぎるということで徐々に会期が早まり今の時期になったようです。

それでもルミナリエには毎年400~500万人が訪れているそうです。

そんな混雑にわざわざ並びに行くのも大変だと思い、昼の様子を見に行くことにしました。

実際昼の姿はどうなっているのか、興味があります。

 

当然、昼の会場には数名の観光客はいるものの、人はほとんどいません。

警備の人やパイロンの列がこれから起こる行事を思い起こさせますが、いたって静かな街並みでした。

そして肝心なルミナリエの光のモニュメントの方ですが、写真にあるように白い巨大な建造物が続く異質な空間を生み出していました。

むしろその様子が骨を思わせ、「鎮魂」にふさわしいように思います。

これが日が落ちれば鮮やかな光の芸術となるのだから不思議なものです。

命を吹き込まれると表現するのがふさわしいようにも思います。

 

その後隣接する市庁舎の24階に上り、上から会場を覗いてきました。

この展望フロアはルミナリエ期間も開放され、上るためのエレベーターには行列ができるそうです。

 

神戸ルミナリエ

~12/13 およそ17:00~22:00 

入場は無料ですが、維持のための100円の募金をお願いしています。