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おおみや盆栽春まつり [埼玉]

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ゴールデンウィーク後半、連日いい天気が続いています。高速道路の状況を見るに、多くの人が遠くの観光地に出掛けているようです。一方で、気候のいい時期のため市街地でもたくさんのイベントが開かれています。大宮駅周辺も新緑のいい時期であるのを理由に、盆栽春まつりが開催されていました。

大宮は盆栽の歴史のある街です。特にまつりの期間中の5/3は駅前の銀座通りにブースが設けられて賑わっていました。すずらん通り寄りに本部が置かれ、それに続く形で飲食ブースが続きます。市内外の変わった食べ物を提供するテントが多くありました。特にナポリタン推しだったのは、大宮という土地柄でしょう。そして、飲食販売のその奥にはクラフト体験ブースが設置され、畳コースターや着物キーホルダーなどの変わったものが作れるようになっていました。子どもたちがメインで参加していましたが、大人も十分楽しめます。

駅前だけでなく様々な場所で盆栽にまつわる出店が行われています。盆栽村の中の盆栽四季の家はメイン会場の一つで飲食出店や芸人などによるステージがあります。氷川神社では舞殿前に豪華な盆栽が4基程度飾られていました。大宮門街では盆栽のフリマが行われていました。盆栽は木だけで見ると大したことのない数センチのものも、そこに工夫を凝らすことで何倍の価値が生み出されます。特に苔などをきれいに設置されたものが2~3000円で売られていたことに驚きます。才能の世界です。購入したとしても、その世界を維持していくことが自分にできるのかどうか怖くなってしまいます。

そんなわけで盆栽一色の大宮駅東口だったのですが、特に盛況だったのが、「大宮盆栽ウィークからの挑戦状」というスタンプラリーでした。これは、決められたスポットに設置してあるスタンプを押し、且つ与えられた問題の正しい答えを現地を訪れて解答し、用紙を受付に持っていくというものです。正解者の先着200名にはなんと盆栽がプレゼントされます。せっかくなので参加しました。といっても、クイズ自体は難しいものではありません。

スタンプを押して11時引き換え開始の“まるまるひがしにほん”に向かったところ、開始10分前だというのに入口に10人以上の列が形成されていました。焦って、並びましたが最終的には11時前に50人以上が集まっていたようです。大人気です。盆栽は順番に5種類程度から選ぶことができました。盆栽に詳しくないので受付の人になんという植物なのか尋ねたところ、分からないと言われてしまいました。受付の職員として引き換えを任された担当の人ですから仕方ないですね。心中察します。とりあえず紅葉と松があり、後は不明でしたが、自分のもらった盆栽を調べたところ、ベニシタンのようです、多分。大切にお世話したいと思います。

先着200名の内訳は不明です。引き換え2会場に均等に分けたのか、引き換え期間は3日あるが、2日目3日目には回らずに終了ということはあり得るのか。間違いないのは引き換え開始と同時に並ばないと、好きなものはもらえないということです。それだけの盆栽に対する熱意が試されています。

全体的にまばらな感じの人出でしたが、それが盆栽がテーマだったせいか、皆遠くに出かけてしまっているためかは分かりません。でもこれくらいの人数が物を買うにも快適でした。


おおみや盆栽春まつり

5/2~5 (3日)11:00~16:00 (2024年実績)

最寄り駅は京浜東北線などの大宮駅などです。

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大恐竜パークinとちぎわんぱく公園 [栃木]

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最近また恐竜ブームなのでしょうか。おもちゃや博物館のテーマとして恐竜をよく目にします。いやむしろ、恐竜をテーマにしたおもちゃが品を変え登場したり、毎年どこかで博物館のテーマになるため、ブームだと錯覚しているのかも知れません。特に夏休み。また、この春休みは北陸新幹線延伸で福井県が注目されたこともあり、特に恐竜を目にしたのでしょう。

正直、恐竜は詳しくありません。子供の頃に名前を知っていた恐竜が、最近の展示では登場しない気がします。もちろん、ステゴサウルスやトリケラトプスは見ます。ところが、アロサウルスとかブロントサウルスは見かけない印象があります。流行り廃りなのかもしれません。沢山の種類がいるようですし、覚えられません。

そんな広い知的世界を持つ恐竜の新しい施設が壬生のわんぱく公園の中に誕生しました。大恐竜パークと言うもので、どうやら様々なところに似たような施設があるようです。せっかくなので、向学の一環として入場してみました。まずまずの人気で、入口で少し列ができていました。中に入ると、木立の下のエリアに複数の恐竜がいました。だいたい全て同じ大きさで、2~3mくらいでしょうか。実物大かどうかはわかりません。近づくとセンサーで感知して動き、鳴きます。常時動いていないなんて、なんとSDGsの理念に則った素晴らしい施設なんでしょう。施設の範囲は入口から見渡せる位の量です。所要時間はだいたい10分でしょうか。

展示している恐竜はプテラノドンやティラノサウルスなど知名度の高いものもいます。しかし、アルゼンチノサウルスやマメンチサウルス、スピノサウルスなど初めて聞くものが多数います。写真はケラトサウルスという名前だそうです。ケラトとは「角」のことで、確かに鼻の上に角がありますね。トリ“ケラ”トプスと同じ語源です。勉強になります。

回ろうとすれば一瞬で出てこられるわけですが、この施設の真の楽しみ方は2種類のアプリとの連動にあります。まず1つ目は恐竜ゲットアプリ「恐竜アドベンチャー」です。これは、最低限入れないと楽しめません。恐竜の前にある説明板のQRコードを読み込むと、恐竜をゲットできます。そのようにして、エリア内の恐竜を集めていきます。時折クイズも出題され、正解するとスタンプが押されます。どうやらクイズが出る恐竜はランダムのようなので、リピートしても楽しめるかも知れません。なお、わんぱく公園内にある他の恐竜像2体にも対応しているので、公園散策の際にも楽しめます。

もう一つのアプリは恐竜ARアプリ「ロストアニマルプラネット」です。これは、もっとゲーム性の高いもののようです。特定の写真を読み込むとARとして恐竜が現代に復活します。また、地面を掘ると化石が現れ、恐竜がゲットできます。しかし、エラーなのか分からないのですが、情報にあるところで写真を読み込んでも恐竜が現れない場所がありました。他の参加者も同じような状況だったようなので、何らかの不具合があったのかも知れません。ただ、わんぱく公園内の案内に書かれていたり書かれていなかったり、記載の統一が図られていなかった様子もあったので、もしかしたら、案の一部がそのまま刷られてしまったのかも知れませんが。公式ページにもエラーの詳細がなく、真相は不明です。

最近のイベントはデジタルとの融合が著しいですね。デジタルで読み込めば大量の情報が現れますが、どの程度参加者はきちんと読んでいるのでしょうか。このようなところも情報の氾濫を感じる部分です。提示する情報の取捨選択を間違えると、結局読まないので難しいところです。

施設境界のフェンスが仮説であったり、恐竜自体がすぐに移動できる状態になっていたところから恒久的な施設ではないかも知れません。いくつかの都市をキャラバンすることを前提に作られているのでしょう。そう考えると、早く訪れないと早々に栃木県から無くなってしまいそうな予感がします。行きたいかどうかは別ですが。


大恐竜パークinとちぎわんぱく公園

9:30~16:00(月休) 800円

800円が高いという話が各所で上がっていますが、最近の美術館などの特別展が2000円することを思えば、妥当な金額かと思われます。なお、コストコの会員証などを提示すると100円引きになります。

最寄りバス停は壬生町コミュニティバスのおもちゃ博物館です。

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鉢形城主 北条氏邦 埼玉県立歴史と民俗の博物館 [埼玉]

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戦国時代末期、北条氏はあっという間に関東地方を手中に収めていきました。室町時代から続く関東管領上杉氏も古河公方の足利氏も北条氏に屈して関東から追いやられる、もしくは乗っ取られるような状態でした。いかにも下剋上の戦国時代という感じです。北条氏がここまで強かった理由は、一族の結束が硬かったからでしょう。今回の展示の中心の北条氏邦は北条氏政の弟ですが、この兄弟にはそれ以外にも北条氏規、北条氏照と有能な武将がいました。同様な下剋上で大きくなった家は織田家も伊達家も毛利家も、兄弟でのお家騒動が起きたことを思うと、一族が仲睦まじいのは結構稀なのではないでしょうか。

北条氏邦は主に武蔵から上野方面を治めていた武将です。藤田康邦の養子となり、鉢形城から北関東方面に睨みを効かせていました。真田氏との名胡桃城を巡る諍いから小田原征伐が起こったことを考えると、北条氏邦も深く関わっていた可能性があります。

今回の展示は、昭和52年以来の北条氏邦へスポットライトを当てたものだそうです。その後、新しくわかったことなどがあり内容が更新されているそうですが、さすがに覚えている人は殆どいないでしょう。

鎧や鞍、刀などもありましたが、展示の殆どが文字資料です。多数の元服前からの北条氏邦関係の手紙などが集められていました。

後半は修復が完了した法養寺薬師堂の木造十二神将立像などです。こちらのみ会場内で写真撮影が自由となっています。十二神将というくらいですから12体の像があるのですが、それらは十二支が元になっています。一堂に並んでいるのですが、並んでいるからこそその作りの違いがよくわかります。鎧の表現なども、制作が途中では?と思わせるものもありました。冒頭の写真は“申”です。今回の展示のチラシにも採用されている像ですが、なぜこの像が選ばれたかというと、この像の土台に「氏邦本命星(北条氏邦の生まれた年の干支です)」との墨書が残されていたからです。つまり、最も重要な像なのです。

飛ぶ鳥を落とす勢いで広がっていた北条氏の領土ですが、豊臣秀吉の登場で一気に形成が逆転し、歴史の表舞台から消えていきました。北条氏邦も前田家に預けられ、江戸時代になる前に亡くなっています。鉢形城の方も北条氏邦が去った後は破却され、江戸時代には伝わりませんでした。こうして、寄居地域に残った戦国時代の雰囲気は一気に消えていったのです。

ですが、そんな北条時代の活気を取り戻そうと、寄居町では5月に「北條まつり」を開催しています。荒川の玉淀河原で甲冑武者が戦ったり、鉄砲を放ったりする豪壮な祭りです。今回埼玉県立歴史と民俗の博物館を訪問した日は、寄居からこの祭りのアピールのための人々がやってきていました。本物の銃を持たせてくれたり、撃ち方の説明をしてくれました。

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何年も祭りに参加している人らしく、甲冑が似合っています。あたかも戦国時代からタイムスリップしたようでした。


埼玉県立歴史と民俗の博物館 鉢形城主 北条氏邦 

~5/6(月休) 9:00~16:00 一般600円 学生300円

運が良ければ、博物館最寄りの施設に割引券が付いたチラシが置いてあります。

最寄り駅は東武野田線の大宮公園駅です。

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日本の巨大ロボット群像 横須賀美術館 [神奈川]

日本のアニメ文化を牽引するジャンルの一つにロボットがあります。日本のアニメが誕生して50年以上、ロボットも多種多様なものが登場し、歴史を作り上げてきました。これらは時代背景や日本文化に大きな影響を受けています。そうしたアニメの中のロボットの変遷を作品とともに振り返る企画展が横須賀美術館で開かれています。

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日本のロボットアニメの草創期に登場したのは鉄腕アトムや鉄人28号でした。この展示でも始まりは鉄人28号です。鉄人28号は白黒アニメの時代に始まり、時代を超えて沢山の作品が作られています。一番驚いたのは鉄人28号が初めてテレビに登場したのは白黒の実写ドラマだったことです。しかも、よくある鉄人28号とは全く見た目が異なります。大きさも小さいものです。原作漫画とは全く似ても似つかないものでした。その後、アニメ版の鉄人28号が作られ、イメージ通りの鉄人が登場しました。そ90年代には続編が作られたり、21世紀にはリメイクされたりしています。こうした流れも興味深く、アニメの変遷の代表例に思えます。ヒット作は続編が作られたり、リメイクされての原点回帰はよく行われます。

その後70年代のスーパーロボットの時代になります。マジンガーZやグレンダイザー、ゲッターロボの時代です。分かりやすい色使いが特徴で、変身や合体するものの、厳密な物理的構造は反映されていません。

その後80年代になると、ガンダムやマクロス、ボトムズなどがヒットします。設定の厳密さとロボットの小型化が起こった時代でした。会場には大きさがわかるように実物大のガンダムの大きさが示されています。

そして90年代にはガオガイガーやファイブスターストーリーなどが登場します。この時代には70年代ロボットの揺り戻しが起きたようです。デザイン的に角形ではなく丸型(曲線多様型)の腕などのデザインが復活しました。また、ネタ切れにも直面した時代のようでした。

このように日本のアニメの中で、どのようにロボットが変わってきたのか見ることができます。惜しむらくは、その考察がおそらく20世紀で終わっているところです。個人的な考えでは、この後にエヴァンゲリオンが来ます。いままでロボット=機械といった物が多かったのですが、エヴァンゲリオン辺りから生き物の要素が取り込まれていきます。硬質なデザインだけでなく、生物的な意匠が含まれるようになりました。操縦の仕方もこれまでのレバーだけでなく、生体と連動するものも多くなります。こうした今につながるところは全く展示がありませんでした。もちろん未来の予想もありません。まだまだ今後素晴らしい作品が登場するかも知れませんし、ロボットアニメは現在進行系で発展しているでしょう。未来が楽しみです。

聞くところによると、日本のロボットアニメの異質なところは中に乗り込んで戦うところなのだそうです。アメリカのロボットはスター・ウォーズやトランスフォーマーに代表されるように、ロボットが友人としての形を取ります。日本のロボットは内部に乗り込むことから、自己の拡張を意味するのだとか。違う自分になりたい、強い自分になりたい、といった願望を叶えてくれるのが日本のアニメのロボットなのです。

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会場はとても賑わっていました。会場には宮武一貴さんの描いた大きな作品が2点飾られています。その中には機動戦艦ナデシコの中に登場するゲキガンガーもあります。劇中劇のロボットなのにもかかわらず選ばれたことに驚きます。

幅広い層の観覧者がいましたが、驚いたのは意外に女性が多かったことです。もしかすると、芸術として鑑賞するのに相応なテーマだったのかもしれません。音声ガイドはアニメの企画展らしく銀河万丈さんと水樹奈々さんの声で案内してくれます。掛け合いも楽しいので借りるしかないですね。しかし、会場での記念グッズの類が少ないのは残念でした。

横須賀美術館は併催としてジブリ展も行っています。そのおかげで美術館はとても賑わっていました。ジブリ展は完全予約制の展示で、時間まで外に待機列を作らされますが、ロボット展は随時中に入れます。また、ジブリ展に人が集まっているために、駅から横須賀美術館までのバスは臨時便が設定され、2倍くらいの量になっていました。実際にバス停には多くの人が並びましたが、臨時便が設定されているためまずまずの混み具合で移動することができます。しかし、会期はずらしてくれればいいのにとは思いますが。


横須賀美術館 日本の巨大ロボット群像

~4/7 10:00~18:00 一般1300円 高大生1100円

最寄りバス停は京急バスのラビスタ観音崎テラス・横須賀美術館前です。

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宇都宮線鉄道カードラリー [栃木]

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近頃、スタンプラリーの類が増えました。大人向けは朱印巡りであったり、子供向けは書店でアニメのキャラクターのスタンプを集めるものを見かけました。鉄道を題材にしたものもテーマを変えながら何回も行われています。18切符を駆使して集めるのがいいのでしょうが、時々利用期間外のときもあります。まあ、そんなときは休日おでかけパスを使うのがいいでしょう。

最近のスタンプラリーはデジタル化が進みます。スポットの位置情報、あるいはQRコードを読み込むことによりスタンプを獲得します。しかしながら、集めたスタンプがスマホの中にあるのが何だかしっくり来ません。確かに、手で押すよりもきれいにスタンプが集められます。しかしながら、手元に何も残らないデータであることに心が満たされないのだと思います、考え方が古いのかもしれませんが。もしかするとデジタルデータ時代からスタンプラリーに参加した人は何も違和感無く満足しているのかもしれません。

スタンプラリーではなくカードラリーというものもあります。ある条件を達成するとカードが貰え、それを様々なスポットで集めます。物が形として残るので、満足感が違います。今回の宇都宮線鉄道カードラリーもそんな中の一つです。スポットは東大宮駅、久喜駅、古河駅、小山駅のコンビニやお土産屋です。そこで一定金額以上の買い物をするとカードが貰え、全種類揃うとカードホルダーがもらえます。エリアが狭く、簡単かと思われたのですが・・・コンビニばかりそんなに買うものは無いのです。久喜駅のベックスコーヒーショップに至っては、テイクアウトに適したサンドイッチは早々に売り切れていました。同じ目的の人のせいでしょうか。そして、ハードルが上がる理由の一つとして期間がかなり短いのです。カードのテーマがテーマなので、子どもたちを含め鉄道に馴染みの無い人が喜んで参加するイベントとは思えませんが、慣れ親しんだ車両なので是非全て集めたく思います。

この企画に前後するように大宮駅周辺では185系のカードがもらえる別のカードラリーが行われていました。おそらくJR東日本の大宮支社が率先してカードラリーを行っているのでしょう。しかし、イベントの知名度的にはどうなのでしょう。チラシが配られたのもイベントが始まった後でした。

テーマが北関東の湘南色編となっているため、第2弾がありそうです。カードの印刷代はかかりますが、いい販促イベントなのでしょうね。なんだかんだ言いながら、きっと次回も参加すると思います。


宇都宮線鉄道カードラリー

~4/7 カードは各店舗おおよそ700~800円の購入で1枚もらえます。

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村上隆 もののけ 京都 京都市京セラ美術館 [京都]

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京都市立博物館は伝統的な建物で数々の有名な作品が飾られてきました。それがこのほど改修が行われ近代的な施設へと生まれ変わりました。本館の建物は以前と同じです。ところが、その前方に今まではなかった地下階が誕生しているのです。入口も地上の正面から地下に変更されています。

中に入ると、チケット売り場の先にすぐに村上隆作品が飾られていました。赤と青の阿吽像で、多くの人が見上げていました。これだけでもこれまでの他の展示と比較にならないような度肝を抜く展示なのですが、さらに歩を進め中庭に出てもっと驚きました。村上隆の代表的な作品の花のキャラクターの巨大な像がそそり立っていたのです。しかも黄金です。太陽の光の加減で多様に光ります。なんの前情報を持たずに行ったので本当に驚きましたが、村上隆っぽいですね。

展示会場は最初から最後までこのような感じです。至る所に村上隆の特徴が散りばめられています。しかし、逆に考えると、村上隆っぽい作品というのは、アートの世界で村上隆が自分の作品の居場所を確固たるものにしているということです。洛中洛外図屏風を作っても、作品の中に村上隆のキャラクターが描かれていたり、風神雷神図を描いてもすぐに村上隆と分かるような面白さを持っています。日本を代表するポップアートの巨匠なのも頷けます。

村上隆の個展は8年ぶりで、今回展示されている作品は京都を題材とした新規のものばかりです。そのどれもが巨大です。美術館の空間を最大限に利用し、上から下まで作品が飾られていました。これらの作品は展覧会後にどうするのだろうと野暮なことを考えてしまいますが、村上隆あたりになると世界中のコレクターが問題なく買い付けていくのかもしれませんね。しかしここまで京都にこだわった作品を展開するということは、もしかすると村上隆美術館を京都に造るのかもしれません。

と、ここまで景気のいい話をしてきましたが、実はこの展覧会はものすごくコストが掛かっているそうです。そのあたりのボヤキなども会場内で説明されていました。ちなみにその説明板自体もアートの一環になっています。まあ、展示されている作品の大きさを見れば、赤字なのも納得できます。そのせいか分かりませんが、この展示の入場料は少し高めの設定です。また、資金不足のためか分かりませんが、実は一部の作品は制作が間に合わず仮の形で展示されているとか。9月までの長い会期の中で展示替えをする予定ということです。

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この富士山の作品は実は絵の前に素数の列が並んでいます。割り切れないということを表すために素数を並べたそうです。きちんと完成されたときにはこの素数列が消えるそうですが、一体いつのことでしょう。

そのようなわけで、勇壮な巨大な作品が並ぶ見ごたえある展示でした。分かりやすい作品ですし、とても印象に残ります。更にありがたいことに、この展示は全ての作品が写真撮影OKです。この手の展示が最近増えてきましたね。令和の時代の展覧会の新しい形です。

お土産も充実していましたし、素晴らしい企画でした。今後リピートすれば、訪問するたびに異なる作品を見ることになるかもしれませんね。


京都市京セラ美術館 村上隆 もののけ 京都

~9/1(月休) 10:00~17:30 一般2200円 大学生1500円 ただし京都市内の大学生は無料

最寄りバス停は京都市バスの岡崎公園 美術館・平安神宮前です。

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鴻沼 さいたま市立博物館 [埼玉]

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さいたま新都心近くの中山道を歩いていると歩道に昔の看板が唐突に現れ、行く手を塞ぎます。なんて邪魔な、と思いますが、その下にはかつての重要なインフラ設備があるのです。それを高沼導水路と言います。

沼が干拓されて田んぼになった場所として、さいたま市では見沼が有名です。しかしながら、見沼以外にも多くの沼が干拓されて江戸時代に田んぼへと変わりました。江戸幕府が財政難であっただけでなく、当時の食糧不足への対応も課題だったのでしょう。また、沼としての水の確保は水害を引き起こすデメリットが有りました。こうした沼から田んぼへの回収に大きく関わったのが紀州出身の井沢弥惣兵衛です。

鴻沼も井沢弥惣兵衛によって干拓された沼の一つです。かつては沼として管理され、下流は5つの堰によって水の管理が行われてきました。それを見沼代用水から水を引き込むことによって干拓化したのです。干拓の流れは見沼と同様です。見沼の場合は利根川から引き入れた代用水は高いところを流れています。その水を田んぼへ流すことによって水を溜め、その後で水は“悪水”と言われる加田屋川あるいは芝川へと落とされます。田んぼへの水の供給は重力に従って行われてます。気を付けねばならないのは、「悪水」と聞くと「汚い水」と思ってしまいますが、本当のところは「農業用水に適さない水」つまり「位置エネルギーの小さい水」ということなのです。

さて、鴻沼に話を戻しますと、鴻沼も中央に悪水である鴻沼排水路が整備されています。その両側を代用水から引き入れた水が流れています。そうすることによって、高い用水の水が田んぼへ流れて、低い排水路へと出ていきます(上図)。そのような形で新しく田んぼが誕生しました。

しかしながら、時代とともに田んぼは減っていきます。今ではほとんど農地はなくなりました。上流の切敷川は直接排水路へ繋げられる回収も行われています。敷地内には新幹線さえ通っています。鴻沼の名残は全くなくなってしまったかのように見えますが、よくよく見ると東西の用水や排水路の跡が見えてきます。

そう考えると冒頭の説明板がなぜ存在するのか、さいたま新都心に突如現れた遊歩道の理由も納得できます。なおgoogle mapを使うと下落合小学校の校庭に流れる高沼導水路のクロップマーク?も見えますね。また、さいたま新都心駅からは高沼導水路の趣あるレンガ造りのアーチも見ることができます。鴻沼は意外に現在も存在感のある沼なのです。

なお、文中“鴻沼”と“高沼”の2つの表記が登場しますが、こちらは公式の表記で誤植ではありません。当時は“コウヌマ”ということが分かれば表記はどうでもよかったのでしょう。適当なのです。


さいたま市立博物館 鴻沼展

~6/9(月休) 9:00~16:30 無料

最寄りバス停は国際興業バスなどの氷川参道です。

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貴船神社 雨乞祭 [京都]

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今年は山の方で雪が少ないと聞きます。その結果スキー場などが困っているとの話もありました。ということは巡り巡って夏の渇水につながるのではないかと危惧しています。山に積もった雪が溶けることで夏の間に川の水が供給されるわけで、雪が無いということは水のストックが無いということになります。そんな今年の水不足に備えて、貴船神社では雨乞祭が行われました。もっとも、年中行事ですので、降る降らないに関わらず毎年行われます。

そんな雨乞祭が行われた日でしたが、当日はかなりの強い雪が降っていました。祈祷のあとには写真のように神水を撒いて雨を祈願します。祈祷後の説明によると、貴船神社は絵馬発祥の地として知られますが、その絵馬は祈祷の際に用いられた馬に由来するとのことです。その昔、雨乞いのときは黒い馬を、雨を止ませるときは白い馬を奉納したそうです。それがやがて板に描いた黒馬と白馬へと変化し、今のような願い事の絵馬に変遷しました。本殿には今でも黒馬と白馬の2種の絵馬が飾られています。結構ポップなスタイルの絵馬だったのですが、なにか所以があるのでしょうか。

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雨乞祭の後には、境内で絵馬のお焚き上げも行われました。一年間の絵馬やおみくじ、七夕の短冊を燃やす神事です。生憎の雪で燃えないかと思いましたが、そんな心配をよそに結構勢いよく燃えていきました。途中、お神酒を撒いたり塩で清めたりしていきます。竹が破裂する音も聞こえました。立ち上がる炎を間近に見られて、これはこれでいいものですね。山の上に挿してある竹が最後に倒れたのですが、その倒れる方向から今年の吉方位がどこかを占うことができたら楽しいのではないかと思いました。

雨乞祭のおかげか、この日の京都は一日雪が降ったり止んだりでしたが、水の心配が必要ない一年になって欲しいものです。

なお、貴船に来たのは20年ぶりくらいでしょうか。前回の記憶はほぼありません。昨年、映画「リバー 流れないでよ」を見て、行ってみたいなと思っていたのですが、意外に早く訪問できて良かったです。映画の舞台となった「ふじや」も見てきましたが、まさに神社の前なんですね。機会(とお金)があれば中で食事したいものです、その最中に時間がループしたら嫌ですが。


貴船神社 雨乞祭

3/9 10:00~(2024年実績)

最寄りバス停は京都バスの貴船です。

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社会実験 キッチンカーWeek [栃木]

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小金井駅東口エリア公共空間利活用社会実験としてキッチンカーWeekが開催されています。

宇都宮線の小金井駅の東口のロータリーに日替わりでキッチンカーがやってきています。パン屋あり卵焼き屋ありスイーツとコーヒーあり。さまざまな種類のものが売られていますが、注目すべきは“きそば”のキッチンカーです。これは小山駅構内に数年前まであった駅そば“きそば”の後継とも言うべきキッチンカーで、その味をキッチンカーとして様々なイベントで提供しています。そのきそばカーがキッチンカーWeekにも参戦してきました。

宇都宮線を彷彿とするカラーリングのトラックの荷台で蕎麦が作られます。蕎麦は当時と同じようにさっと茹でる中澤製麺製の蕎麦でしょう(うどんもあります)。注文はベースとなる麺に様々なトッピングをする形です。天ぷら、きつね(油揚げ)、卵などバリエーションが豊富でありながら、各100~200円とオトクです。もっとも、欲を出して乗せすぎると簡単に1000円を超えてしまいますので注意しなければなりません。小山のきそばと同様に岩下の新生姜のトッピングもありました。

注文するとすぐに出来上がり、天かすなどはセルフで追加することができます。車の裏手にはカウンターがあり、そこで立ち食いできます。もちろん、テントが用意されていて座りながら食べることもできるのですが、きそばの雰囲気を楽しむには立ちが良いのです。味は懐かしい駅そばの味でした。買って帰って自分で作るのとは違いますね。ネギのシャキシャキや新生姜の辛さが食べていて楽しくなります。

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今回のweekでは、注文すると切符を模したカードが貰えます。小金井駅の名前が入っていたり、日付が入っていたりするだけでなく、注文した内容のチェックが側面に入り、切符を切った跡も再現されています。これをもらえただけでも食べた価値はありました。

この日のもう一つの店舗はカレーとパンの店「pupukoti」でした。いちご練乳クリームのパンは甘酸っぱくて美味しかったです。高級なおしゃれな雰囲気のパンでした。

と、結構賑わっているかのような書き方をしましたが、正直なところ微妙です。そもそも周りに何も無いロータリーに日中に出店してどれだけの客が集まるのか、非常に疑問です。というか、大量に売れ残るのではないかと恐ろしくさえ感じます。場所的に正しいのか、時間的に正しいのか、フィードバックして活かして欲しいものです。強いてあげるならば、もう少し人の流れのある場所や、夕方~夜の駅に人が流れる時間に開催したほうがいいのではないでしょうか。今回の企画は、きそばだけに関して言えば、JR小金井運転区のみなさんやきそばに元々付いていたファンの助けでしのげた印象が無くもないです。

また、アナウンスが遅いのです。開催のアナウンスの下野市HPへのアップが3/1とまさかの開始日です。周辺へのポスターやSNSでの事前広報も無し。しかも、3/1に新着情報としてホームページに公開したにもかかわらず、3/1にアナウンスすべき他の情報に埋もれてトップページから流れてしまうという事も起きていました。このイベントにたまたま出くわせたのなら、本当に運がいいとさえ思ってしまいます。

しかしながら、“きそば”は連日完売だったようです。ということは実はこのくらいのアナウンスが正しいのでしょうか。人が集まりすぎると捌けないので、あえて静かに開催しているのでしょうか。今後どうすべきイベントなのか判断に難しいところです。


小金井駅東口エリア公共空間利活用社会実験 キッチンカーWeek

2024年3/1~8 11:00~15:00

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美樹本晴彦展 だけじゃない! [栃木]

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小山駅前のロブレの一角でアート展が開催されました。展示即売会を兼ねているために、入場は無料です。事前登録するとグッズももらえます。ロブレでこのようなイベントが開催されたことがあったでしょうか。

きっかけはインターネット広告が出てきて近場だからと参加したのですが、後で周りの話を聞くと、絵を売りつけられて大変とのことを聞きました。確かに、百貨店の画廊などは訪れたことはありますが、こうしたイベントは初めてです。戦々恐々としながらもせっかくですので行ってみました。主催はアールビバンという、結構この道では大手の会社のようです。

会場はいつものイベントスペースです。受付をすると何かの暗号が書かれたネームカードを渡されました。それを持って会場に入ります。中は想像以上に人がいました。ロブレで美術展が開催されることが珍しいので多くの人がやってきたのでしょう。老若男女、家族連れもいました。そして、ここで大きな事実に気づいたのです。申し込んだのは美樹本晴彦展でしたが、この会場は4種類の絵画展の合同だったのです。一番人が集まっていたのは天野喜孝などの作品の並ぶファンタジーアート展でした。ここが人気だった理由は、ファイナルファンタジーの絵が書かれていたためです。やはり知名度のある作家は違いますね。一方の美樹本晴彦も知名度では負けないでしょうが、今回は版権のあるキャラクターの絵は一つも展示されていませんでした。あるのはオリジナルの作品です。そんなに簡単にアニメ会社が許可をしないでしょうから、これは想定の範囲内です。

販売されている作品(飾られている作品)は版画です。と言っても古典的な版画ではなく、現代の技法で作られた鮮やかなもので、50~250枚くらいの数が刷られているようです。そして、その版画の上からラメをまぶしてキラキラさせています。これがいいかどうかは人によって分かれそうです。一部作品には更にスワロフスキーが埋め込まれていました。相場は40~60万程度が多く、中には100万超えもザラでした。特に高かったものは天野喜孝作品です。需要と供給の価格が実にわかりやすく感じました。

すでに何枚もの作品が売却済とされていました。会場で商談もしていました。結構売れているようです。来場者の多さと商談が進行している事情もあって、特にしつこい売り込みはありませんでした。

美樹本晴彦展が目的だったのですが、今回の展示で一番印象に残ったのはmochaさんという方です。イラストレーターとして幻想的な多数の作品を書いている人ですが、主催者イチオシのアーティストなのか作品数も一番多かった気がします。グッズ展開もたくさんありました。せっかくなので、記念に仕掛けファイル、絵葉書、アクリルチャームを買ってきました。絵のテーマはよくありそうなものなのですが、何かをきっかけに今後伸びるかもしれませんね。版画ではなく、実際の絵画として美術館できちんと観覧券を買ってゆっくりと見てみたいです。

いい社会勉強になりました。この展示は全国で巡回しているようで、美樹本晴彦展も複数箇所で同時開催だったようです。版画で複製がたくさんありますから、こうしたことも可能なのですね。ロブレの方も味をしめたのか、今後すぐに別のアーティストの展示即売会が開催されるようです。今回の方々もまた作品が更新されたら是非開催して欲しいです。しかし、主催者は売れなければ意味を成さないので次があるかどうかは今回の売り上げ次第でしょう。自分のような無料入場者は厄介払いされそうです。


美樹本晴彦展 その他3つ

2/16~19(終了) 10:00~18:00 入場無料

最寄り駅は宇都宮線などの小山駅です。

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