打倒コロナ? 三連星 R2BY 番外編 第一弾 IRCS-003F11 [滋賀]
偉大なるしゅららぼん [滋賀]
公開から3週間経っているからとはいえ、
田舎の映画館だからとはいえ、
平日のレイトショーだからとはいえ、
まさかこんな事が起こるとは予想さえしていませんでした。
今回見に行った映画は琵琶湖を舞台にしたSF活劇「偉大なるしゅららぼん」なのですが、なんと客席(150席余)に客が自分だけでした。
まるで家の居間で大きなテレビを見ているかの状況で、くつろいで鑑賞することが出来ました。
さて本編ですが、これまでの万城目作品「鴨川ホルモー」や「プリンセストヨトミ」よりも、原作をさらに忠実になぞっているストーリーが印象的でした。
しかし逆に、原作を読んでいるからこそストーリーに付いて行けた気もしていて、初見の人はどれほど理解できるか気になるところです。
ストーリーの大転換に「ニヤリ」とできるのか、はたまた「そうだったのか」と驚けるのか、完全に置いて行かれてちんぷんかんぷんか。
それほど、この物語は内容が濃いのです。
そのせいか、後半の重要な鍵となる部分のフラグはかなり分かりやすく描かれていました。
初めて見る人でも、そのくだりには不自然さを感じ取るのではないでしょうか。
キャスティングもさすがです。
「鴨川ホルモー」の濱田岳と「プリンセストヨトミ」 の岡田将生、笹野高史のコラボレーションでしたが、同じ人が繰り返し登場するのは個性あるキャラクターを演じられる人は限られているということなのでしょう。
そもそも濱田岳と岡田将生が高校生役というのも飛んでいますが、これは良い意味での非リアリズムと感じます。
リアルに即して詰まらない高校生役者を使ってしまえば、作品が小さい物になってしまうに違いありません。
今回初の佐野史郎や村上弘明、貫地谷しおりもイメージにかなり一致する物でした。
深田恭子の清子は原作のイメージとは違いますが、好意的にも感じ、一方で勿体なくも思いました。
最後に速見沙月役の大野いとですが、確かにこんな子クラスにいるよな、と思わせるものでした。
作品とは一切関係ないのですが、美人なのにしゃべるとパッとせず、そのせいで恋愛対象では無くなって良いお友達の位置に落ち着く。
ん~、滑舌のせいかなあ。
最近の映画は公開前には宣伝とか頑張っているのですが、公開されるとピタッと話題に上らなくなりますね。
あらゆる面でお金はかけているものの、話題に上がるほど良い物が作れていないということなのでしょうか。
少なくとも、小説としての「偉大なるしゅららぼん」 はオススメです。