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もう一つの荒城の月 暘谷城 [大分]

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春高楼の花の宴♪

荒城の月の歌詞の通り、桜が満開の季節になりました。

荒城の月といえば滝廉太郎が連想されますが、ではこの「城」とはどこなのでしょうか。

よくよく考えてみれば、滝廉太郎は荒城の月の作曲者であって、作詞者は土井晩翠です。

そのことから、土井晩翠の地元である仙台城がその「城」であると言われます。

しかしながら、曲を作るときに城を思い浮かべるだろうとして、滝廉太郎が少年期を過ごした大分県竹田市の岡城もゆかりの地としてアピールしています。

 

そしてもう一つ。

滝廉太郎の家は江戸時代には豊後国日出藩の家老の家系でした。

そのことから、大分県の日地町もゆかりの地として名乗りを上げています。

日出町は大分市、別府市と連なる位置にあり、交通至便なところです。

江戸時代は木下家が治めていて、日出藩の城である暘谷城の遺構も比較的きれいに残っていました。

海を見下ろす位置には城下公園が作られており、この時期の暘谷城の様子は正に荒城の月にふさわしい重厚な石垣と桜の華やかさを兼ね備えた景色をしています。

近年は遺構の整備が進んでいるようで、城の山側には鬼門櫓が移築されていました。 

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これは城の鬼門方向にあった櫓で、特徴は鬼門方向(北東)の隅が平になっていることです。

京都御所のように鬼門方向の塀をを凹ませる造りは目にしたことがありますが、建物の角そのものを切り取った造りにしてしまうのは初めてです。

櫓の中には日出藩や鬼門櫓の説明がありましたが、その中に移築前の鬼門櫓の写真がありました。

とても建物には見えない朽ちた姿が印象的で、よくもこんなにも復旧したものだなというのが正直な感想です。

写真自体は日出町の観光情報サイトの中でも見ることができます。

 

日出町について全く知りませんでしたが、目の前に海もあり自然豊かでありながら、ビジネスホテルや大きな店もあり生活に不自由さを感じることはなさそうです。

さらに今後暘谷駅周辺を大規模開発する構想があるらしいので、さらに発展していくかも知れません。

その一方で、暘谷城の良さも同時に伝えられていくといいと思います。

 

暘谷城址

最寄り駅は日豊本線の暘谷駅です。