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下野薬師寺 唐招提寺薬師如来立像復元模刻仏像特別公開 [栃木]

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先日の栃木県立博物館で行われた特別展「鑑真和上と下野薬師寺展」で公開されていた唐招提寺の国宝の薬師如来立像の模造が下野薬師寺に贈与されました。それを記念して、3日間だけ一般公開されています。

下野薬師寺では像を安置するために改築したようです。4年前に安国寺から下野薬師寺に寺名復古してから怒涛の展開です。まさか、博物館で見た像が下野薬師寺の本堂に安置されるとは思っていませんでした。現在は造りたての白い像ですが、やがて月日が経てば年季の入った色に変わっていくことでしょう。これから何百年と続くかもしれず、歴史の始まりを目にしているのかもしれません。

寺名復古や六角堂の鑑真大和上像、そして、今回の薬師如来立像と下野薬師寺には魅力的なものが集まり変化しつつあります。それを踏まえると、今の寺院規模では釣り合わないような気がします。次に行うべき事業は建物の建築かもしれません。建築の暁には、今ある単独の本堂だけではなく、本堂や講堂・回廊を備えた荘厳なものになることを期待しています。実際、寺の正面の民家を購入し駐車場造成が行われているとのことでした。いただいた冊子には完成済みとなっていましたが、実のところまだ鋭意建築中でした。

なお、薬師如来立像公開を記念して本尊や十二神将の方も特別公開されています。

これからますます寺が発展していくことを願っています。


唐招提寺薬師如来立像復元模刻仏像 特別公開

11/21~23 9:00~16:00

最寄り駅は宇都宮線の自治医大駅です。

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みぬま秋フェス2022 in さぎ山 [埼玉]

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先日のさいたま市立博物館へ行ったときに、イベント紹介チラシのラックに「みぬま秋フェス」とういものが「さぎ山記念公園」で開催されるというチラシが入っていたので行ってみました。このイベントは例年開催されているのでしょうか。これまでチラシを目にしたことはありませんでした。

イベントの趣旨は見沼田んぼの紹介といったところでしょう。野鳥の会や写真展などによる自然の豊かさの紹介があり、地域で取れた物産の販売もありました。今回は見ませんでしたが、里芋掘り体験やおにぎりの握り体験なども有ったようです。見沼があることによりこれだけの自然がまだ残っているのですね。

それ以外にも、紙芝居やクイズラリー、シャボン玉ショーなどもありました。少し変わったところでは科学体験もあり、大気圧の紹介やダイラタンシー現象なども見せていました。ダイラタンシー現象というのは聞いたことがありませんでしたが、片栗粉が液体みたいになったり個体みたいになったり揺らぐ現象のことだです。見沼田んぼのぬかるみで見られる現象につながる話とのことでした。ブースで新しい知識が増えることはいいですね。

総じて、適度な人出といったところでしょうか。これ以上人が多いとブースに列が滞留するでしょうし、のんびりと過ごす秋イベントと遠ざかってしまいます。もっとも、この時期は各地でイベントが開催されるので、本当に近隣の人が集まったていた結果の数なのかもしれません。たしかに、参加者アンケート(シール)で見沼区あるいは緑区から来た人が多い結果でした。

散策して過ごすには本当にいい時期で、公園内を歩き回っても汗だくなったりしませんでした。ただし、ブースを巡るときは日向は上着を着ていると暑いですが、日陰は着ていないと寒い難しい気候でもありました。ブースの位置によって寒かったり暑かったりの差が激しいです。

ところで、写真を見ても分かる通り、いまいち体感よりも盛り上がっているように見えないのですよね。コロナ下で飲食物の販売が少なかったせいがあるかもしれません。ですが、それよりも各ブースの設営が長机だけでできていたせいかもしれません。せめて、テント的なものがあれば何を提供しているかアピールしやすかったのではないでしょうか。また、中央ステージのようなものがないのもイベントの一体感を作り出せなかった原因かもしれません。特に大きなイベントを目指しているわけではないので現状維持でもいいのでしょうが、何かまとまりが欲しい印象でした。


みぬま秋フェス2022 in さぎ山

11/5,6(2022年実績) 10:00~15:00 無料 

最寄りバス停は国際興業バスのさぎ山記念公園です。

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さいたま市立博物館 天保の時代とその世相 [埼玉]

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天保の改革を覚えているでしょうか。歴史の重要な時代であるにも関わらず、博物館などの特別展では取り上げられることが少ないです。しかしながら、幕末につながるキーワードが隠れています。この天保の改革を行った人物こそが水野忠邦ですね。

今回の特別展ではこの天保の改革の時代とさいたま市の状況を特集しています。そもそもこの改革が始まった理由は天保の飢饉です。大坂では大塩平八郎が蜂起し、大きな社会問題をもたらしました。もっとも、最近では大塩平八郎は決して義民ではなかったとの評価が出ているようで、教科書的にも今後変わる可能性があるようです。この飢饉に対処するべく数々の施策が取られます。しかしながら、関東や畿内の領地を天領とする「上知令」は大名の反対にあい頓挫しました。また、農村から都市部へ流入した農民を戻す「人返し令」もありました。農村に人を戻し、米をたくさん作らせようとの意図があったのでしょう。しかし、これは正しかったのか甚だ疑問です。飢饉で食べるものがないから都市部に職を求めて出ていったのであって、これを強制的に村に戻せば食い扶持が増える分、村全体が困窮してしまいます。飢饉で作物が育たない問題は人手が増えても解決しないでしょう。そう考えると、この「人返し令」は現場を知らない机上の対策な気がします。

そんなこんなで結局うまくいかなかったというのが天保の改革でした。この社会の動乱を引きずって、やがて時代は幕末に入っていきます。

後半は日光社参とさいたま市域の村々の対応の話でした。

武士の移動に注目した考察はよく見ますが、そのときに農村がどのように動いてどんなトラブルが有ったかは市立博物館レベルではないとあまり出てきません。御成街道の砂利敷など色々と大変だったようです。

安定した江戸中期から激動の幕末へと時代が進む中で、天保の時代はとても重要です。ところで、飢饉の時期に農民や武士が大変だと騒ぐのはよく分かりますが、飢饉明けの農民の反応はどうだったのでしょうか。今年は飢饉じゃなかった!と歓喜したのでしょうか。そうした、なかなか注目されない部分も明らかになっているようならば、更に面白かったでしょう。

しかしながら、なかなか目にすることのない時代に注目したとても挑戦的な企画展だったと感じます。


さいたま市立博物館 天保の時代とその世相

~11/20(月休) 9:00~16:30 無料

最寄りバス停は国際興業バスなどの氷川参道です。

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