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京の夏の旅 文化財特別公開 新徳寺 [京都]

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今年は新選組結成160周年記念ということで、京の夏の旅のテーマは新選組です。と言ってもこの特別公開以外で新選組で賑わっているところは見ていません。京都市内で新選組に縁の地と言えば池田屋や金戒光明寺もありますが、一番は壬生でしょう。ここに新選組は長らく駐屯していたのです。今回の夏の旅でも複数のスポットが特別公開されています。

その中の一つに新徳寺があります。あまり有名なお寺ではありません。では、ここで何があったかというと、新選組が誕生する前の浪士組の頃、清河八郎がここで尊皇攘夷の大演説をした地なのです。この演説の結果、清河八郎を中心とした浪士組本体は江戸へ戻ることとなりました。その一方でここに留まった人たち、それが近藤勇であり芹沢鴨であり、新選組の元となった人たちでした。

清河八郎が演説をしたときの新徳寺の本堂は再建されてまだ十数年しか経っていない時期でした。現在、その当時の建物がそのまま伝えられています。本堂を奥から眺めれば、清河八郎が見た景色が見られるかもしれません。さほど大きな本堂ではないのですが、当時は200人くらい集まったそうです。

この新徳寺の建物としての魅力は屋根にあるそうです。外に出て屋根を見てみると、真っ直ぐではなく反ったり膨らんだりしています。これは「照り起くり屋根」という造りだそうです。また軒先には猿の像があり、阿吽が表現されているとか。こだわりを感じます。

なお、案内してくれた人によると京の夏の旅で初公開の寺院ですが、恐らく次の公開は無いとのこと。見せるという行為も大変ですからね。

清河八郎は胡散臭い人物として書かれることが多い気がします。新選組側から見たらきっとそうなのでしょう。数々の幕末ドラマに登場しますが、最も印象的な清河八郎役は西村雅彦(現・西村まさ彦)です。実はこれは大河ドラマではなく、「竜馬におまかせ!」というダウンタウンの浜ちゃんが主役のドラマなのです。もう25年以上も前のものですが、その印象は他の清河八郎で全く上書きされません。余談ですが、同様に岡田以蔵は反町隆史です。

新型コロナ明け初の寺社訪問でしたが、なかなか面白い場所でした。

なお、今回は京の夏の旅の公式が「新選組」の表記を用いているため、こちらでも「新撰組」ではなく「新選組」と表記しています。


京の夏の旅 文化財特別拝観 新徳寺

~9/30 10:00~16:00 800円

最寄りバス停は京都市バスの壬生寺道です。

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ふしぎの海のナディアpetit in 神戸海洋博物館 [兵庫]

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最近、アニメの関連資料の巡回展がとても増えました。貴重な資料が近くで見られるメリットはありますが、主目的は宣伝でしょう。あるいは、グッズ(版権)の収益かもしれません。忘れ去られてしまうと、そのコンテンツの購買力は失われてしまうため定期的に掘り起こされるのかもしれません。人気が再燃すれば続編制作につながるものも出てくるでしょう。

ふしぎの海のナディアはエヴァンゲリオンの庵野監督作品であるため、話題になることも多い作品です。数年前にテレビで再放送が行われました。その際に、断片的な記憶しか残っていなかったため、再放送でも初見くらい楽しめました。それからまた時がたちました。恐ろしいことに、また記憶の断片化が起きているようで、ストーリーの詳細が思い出せません。集中してみていなかったのか、そういう造りの物語なのか、記憶力の限界なのか。次に見るときもまた楽しめそうです。

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さて展示ですが、メインはマクロス展と同じように設定資料の展示で、映像展示が間に挟まれます。特に企画当初からの変遷は面白いですね。最初期のナディアはもっとアフリカ系の顔立ちをしていましたし、ジャンもおとなしそうな印象でした。グランディスの設定資料もありましたが、「グランディスの初期の名前はグランバァというのか」と勝手に理解して納得していたら、調べてみるとグランディスのフルネームはグランディス・グランバァなので変わったわけではないのですね。早とちりでした。

放映当時のイラストも展示され、とても気分が盛り上がります。ストーリーを頭に叩き込むためにもう一度通しで見ないといけません。なお、ストーリーを忘れてしまっていても鑑賞自体に大きな問題はないと思われます。

この展示は完全時間予約制です。といっても、殺到するような展示ではなく既に各地の展示が終わった後の最後の巡回のため空いていて、当日券も販売されていました。入館にはセル画の特典も付きます。自分のもらったものは謎の海シーンでした。どこのシーンだか調べるためにもやっぱりもう一度見なければなりません。


ふしぎの海のナディアpetit in 神戸海洋博物館

~10/22(月休) 10:00~17:30 500円(別途海洋博物館への入館料900円が必要です)

最寄りバス停はポートループのメリケンパークです。

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推しの子展 in 浦和パルコ [埼玉]

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今年前期のアニメ話題作の一つは「推しの子」です。アニメ初回が90分という作りが話題にもなりましたが、何よりも話題になったのが、主題歌として採用されたYOASOBIの「アイドル」でしょう。アメリカでもランキング1位を取り、アニメに興味がない人も注目したのではないでしょうか。かく言う筆者も実は当初見る気はなかったのですが、色々と偶然が重なり見るに至った口です。芸能界をテーマにしたアニメは少なくないですが、綺麗事で片付けないところが変わっているかもしれません。最近のアニメは1クール12話で1期が終了してしまうため、今後どうなるか分かりません。既に続編の制作は決まっているとのことですが、最終的に何話まで続くでしょうか。

そのようなわけで、アニメが好評なため特別展が開催されたのでしょう。アニメで特別展が開催される事自体は珍しくないのですが、今回一番驚きを感じたのが、会場が浦和パルコであるということです。こうした展示をこれまで行ったことはあったのでしょうか(物販の開催はたくさんあります)。

展示は密を避けるため完全予約制です。ただし、空きがある場合のみ当日入場が可です。さすがに、開催開始数日はどの時間帯も完売となっていました。しかし、後半ともなると空きが目立ちます。時間が合わせられないため、今回は当日券での入場を行いました。当日券でも次の指定入場時間まで待機するのですが、人がいない時間だったので列形成もなく自由でした。

肝心の内容ですが、驚くほど中身がありませんでした。それはそうですね。アニメも話が進んでいませんし、展示すると言っても何が出せるのかという話。適当な場面写をペタペタと、それだけです。そして、中央にはステージが配置され劇中歌が流れていました。確かに「サインはB」で盛り上がらないことはないのですが、多くが求めるのはYOASOBIの主題歌ではないのかと思われましたが仕方がないことです。

このように中身の無い展示でしたが、使用された技術には新しいものが散見されました。まず、イヤホンガイドですが、受付でQRコードを読み込み、自身の端末で再生して聞く方式です。これなら端末を用意して貸し出す手間がありません。またコロナが流行ってからは、イヤホンは無償提供する方式も流行っていました。ただし、デメリットはQRが読み取れるスマホユーザーではないと利用できない点です。今回は若者が対象となる展示だったため採用できたのでしょう。ガイドはAとBの2種類が用意されていました。1回で全て聞けないとは、リピートを期待してのことでしょうか。

次に、ARのような不思議な映像処理が体験できました。

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劇中でビデオメッセージを残した場面の再現で、会場に用意されたスマホには登場人物のアイの姿が写っています。しかし、実はこの映像は現在の展示を投影していて、実際にソファーに座るとその姿がスマホに反映され、アイと共演できます。原理としては2層の映像を重ねているのでしょうが、なかなか洒落た取り組みであると感じました。

結論からいうと、今回の展示は展示内容を楽しむものではなく、展示技術を楽しむものであったと捉えました。20時の最終の回の入場チケットは容易に手に入りますが、時間制限で展示が見られないのではないかと危惧される方がいるかも知れません。安心してください、およそ30分で見られます。最終の回でも十分に楽しめます。


推しの子展 嘘とアイ in 浦和パルコ

~9/4 10:00~21:00 一般1000円 音声ガイド+500円

最寄り駅は宇都宮線などの浦和駅です。

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