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雪の上高地 [長野]

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ゴールデンウィーク中は遭難で多くの人が命を落とした北アルプスですが、季節が進んでだいぶ過ごしやすくなったのでしょう。

それでも上高地は春がやっと来たという感じで、新芽が出始めた様子でした。

訪れた日はちょうど前日に雪が降ったらしく、山々が雪化粧していました。

通常は写真のようには山は白くなっていないそうです。

 

結構な重装備で行ったのですが、上高地はだいぶ整備されていますね。

靴も通常のスニーカーで十分な感じでしたし、冬の格好さえしていれば手ぶらでも散策できる感じでした。

むしろ、リュックサックが重くて体力を奪われた気がします。

カッパ橋から上流に歩いて行くのに、川の右岸と左岸でだいぶ景色が異なりました。

右岸は少し山歩き然とした散策路で川が近く、木でできた通路が設置されていました。

一方で、左岸は広い砂利道で起伏はあるもののほぼまっすぐでした。

左岸の方がストレス無く進めますが、歩いて楽しいのは右岸でしょうね。

そして、上高地では初めてカモシカを見ました。

カモシカがいると山奥って感じがしますね。

じっとして日向で休んでいる様子でした。

猿の群れもいて、観光客に人気でした。

刺すような冷たい水の川を流されているように渡っていて、なかなかチャレンジング精神旺盛な猿でした。 

動物の自然な姿が見られていいですね。

気候に左右されますが、晴れていれば五月の上高地は一番良い時期だと思います。

 

訪問のためにはアルピコ交通新島々駅などから出ている低公害バスへの乗り換えが必要です。 


飯田市美術博物館 [長野]

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飯田市は長野県南部にあり、直ぐ山を越えれば岐阜や愛知なのですが険しい山に阻まれています。

いまでこそ高速道路のトンネルが開通し便利になったのですが、鉄道では未だに不便を感じます。

地形的には北側に開けているので松本方面への物流があるように思うのですが、特急は南部に向かう物のみで2往復。北へは特急さえ走りません。

その分、高速バスが発達しており、名古屋方面、新宿方面など多くの路線があります[バス]

今回はこの多岐にわたる高速バスを利用して訪問しました。

 

飯田市美術博物館は新しい作りの博物館で館内にはプラネタリウムも設置されています。 

展示室は複数有り、今回はそれぞれにおいて違う展示が行われていました。

一番東側の部屋では「日本画と四季<冬>-菱田春草と飯田の美術-」と題して飯田市出身の画家である菱田春草関連の絵画が展示されていました。

特に注目されるのは春草の朦朧体が感じられる「山水」です。

隣には下村観山の「楼閣」も並べられていましたが、伝統的な水墨画の霞む感じとは異なる漠としたタッチの表現が感じられました。

それがおもしろく、まるで目の焦点が合わずに絵を見ているような不思議な感覚を得ました。

菱田春草の朦朧体は当時は賛否両論で、好意的ではなく受け止められることも少なくなかったようです。

初めて見たのですが、悪い印象はありませんでした。

 

次の部屋は「桜-印籠と謡本、飯田の古桜- 」の企画で印籠などが展示されています。

そして、飯田城の古地図が展示されていてそこには当時の桜の木の位置も詳しく書かれていました。

飯田城は古くから多くの桜の木が植えられていたらしく、桜丸と名付けれた施設もあったようです。 

もう少しして桜が咲けば今でも当時が忍ばれるかも知れません。

 

最後(美術側の)の部屋は「須田剋太の挑戦-色彩とマチエール-」 と題して須田剋太の抽象画が展示されています。

たくさんの絵があるのですが、須田剋太が意図した物は何だったのか汲み取ることは非常に難解です。

線や幾何学模様の羅列には果たして意味があるのか。題名にも意味のある物は付けられて無く解釈が困難でした。

まあ、須田剋太らしいといえばそうなのですが。

ちなみに公式HPにも解説は無し。専門家も難しいのでしょうか。

しかし、なぜ飯田市に須田剋太の作品がたくさん残されているのか釈然としません。

 

その他、常設側には飯田の歴史と自然についての展示がありました。 

 

飯田市美術博物館

日本画と四季<冬>-菱田春草と飯田の美術- ~3/25

桜-印籠と謡本、飯田の古桜- ~4/22

須田剋太の挑戦-色彩とマチエール- ~4/22

月休 9:30~16:30 310円

最寄り駅は飯田線の飯田駅です。 


高遠城址公園さくら祭り [長野]

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関東地方に41年ぶりの遅い雪が降った中、長野へ行ってきました[雪]

出発の朝は雪が積もっていて、とても4月の風景とは思えません。

また、その雪の影響で通過する直前まで碓氷峠でチェーン規制まで出ていました。

このときはこの大雪で大変な事が起きているとは予想も出来ませんでした…

 

今年は涼しい気候が暫く続き、例年通りの桜の開花ではなかったかと思います。

しかし、高遠のある伊那市周辺ではだいぶ早まっていたようで、例年なら一週間後くらいの桜の満開が、今年は4/13ごろだったようです。

今回は杖突峠を通って北側から高遠へ抜けたわけですが、その杖突峠の桜も非常に見事でした。

観光地ではないので観賞している人もなく、桜の美しさに浸れるのではないでしょうか。

高遠城址公園の桜は見事の一言です。

見上げれば、視界いっぱいに桜の花が広がり、その向こうにちらちら見える青い空が良いコントラストになっていました。

前日に雪が降ったのがうそのような好天に恵まれたのが何よりの幸運でした。

これまで土手などに植えられた線の桜を見ることは沢山ありましたが、高遠のような面の桜は初めてかもしれません。

むしろ花の無い時期に来るとどれだけ寂しいことでしょう。

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勘助曲輪にあるバス駐車場でさえこのように見事な桜に埋もれていました。

 

さて、訪れた前日の17日は午前中の間、高遠城址公園は閉鎖されていたようです。

なぜか・・・

実は冒頭から書いているような季節外れの雪によって多くの桜の枝が重みで折れてしまいました。

その整備が行われていました。

確かに、城跡を巡っていると、桜の花が咲いたまま折れている枝を多数見ることが出来ました。

巨大な枝でさえ、痛々しい姿で折れている・・・雪の、それも水を多く含んだ霙の重みは恐ろしいですね。

杖突街道でも多数見られた不自然に折れた桜の枝が、実は雪のせいだなんて驚きです。

 

こんな不思議な四季の1ページを見られるのは今年だけでしょう。

 

高遠城址公園さくら祭り 入園料500円


善光寺 七年に一度の御開帳 [長野]

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京都へ行ったついでに長野の善光寺に寄ってきました。

善光寺は今 七年に一度の御開帳をしています。

夜行バス[バス]で長野に向かい、予定が6:50のところ、6:30に長野駅前に着きました。

この時期なので朝も何とかしのげる寒さで、眠い目をこすりながら川バスに乗り大門前に向かいました。

どうやら、同じバスに乗っていた人には同じ目的の人も多かったようです。

 

時間的にはちょうど朝のお勤めの終わった時間で、7時前だというのに境内には人が沢山来ていました。

参道を本堂の方へ歩いていると、優しい方にありがたいお数珠の御加護を受けられる旨を教えていただきました。

山門前で待つとやがてお上人様がやってきて、頭を数珠でなで、功徳を授けていただきました。

早起きは三文の徳とは言ったものです。

非常にありがたく、何か晴れ晴れとした気分になりました。

 

さて、本堂に向かうとやはり多くの人がおり、参拝の列が出来ていました。

回向柱に触れ、前立本尊に参拝し、お戒壇めぐりを行いました。

お戒壇めぐりとは本尊の下の暗闇の回廊を壁を伝って回るものなのですが、実際に暗闇に入ると直ぐ隣の人の姿さえ見ることもままならず、なかなか興味深いものでした。

10分強並びましたが、平日なのと新型インフルエンザの影響で観光客が少なかったのが功を奏したのでしょう。

前もって聞いていた3時間待ちに比べればだいぶましです。

 

そして、次に山門にも上ってきました(写真)

山門は一昨年まで5年の間修復工事が行われていました。

それが終わり、安全性も問題なくなったために内部へ上ることも出来るようになりました。

しかし上がってみてびっくりです。

内部はいたるところ墨書で埋め尽くされていました。

以前、イタリアなどで文化財への落書きが問題になりましたが、墨書(落書き)のおびただしい量を見ると、これが日本の文化ではないかとさえ思ってしまいます。

おそらく、信仰心がそうさせるのでしょう。

読めた年代の中には、「嘉永」「弘化」などがありました。

(弘化:西暦1844~47、嘉永:西暦1848~54)

また、この山門は今回の修復工事で桧皮葺からトチ葺へと変更されたとのことですが、素人には残念ながらその違いが分かりませんでした。

 

満腹の長野紀行でした。

朝が早かったので午前中のうちに長野を後にし帰路につきました。

 

善光寺 前立本尊御開帳

~5/31 4:30~17:00 500円

山門特別拝観

~11/30 9:30~15:00 (ただし御開帳期間は7:30~17:00)  500円

最寄りバス停は善光寺大門です。