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笠岡市立竹喬美術館 清水比庵の世界 [岡山]

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清水比庵は日光町長を務めたこともある人で、戦争の疎開で笠岡に居を移したあとは晩年まで笠岡市と深い関係にありました。 

そもそもの出身は笠岡よりも山側の岡山県高梁市になります。

今回の企画自体は終わってしまいましたが、初公開作品を含む約60点が公開されていました。

晩年の作品を集めて公開していましたが、93歳の作品にも年を感じさせないものがありました。

特に友人知人の求めに応じて書いたもので、近年美術館に所蔵されるようになったものが展示のメインなようで、絵手紙的な体裁のものや書の掛け軸がかなりを占めていました。

 

特に目を惹いたものは「大巧若拙」と「山重水複」 です。

隣り合って展示されていましたが、その文字の様子が全く異なるもので、興味深く比較できました。

「山重水複」 は和紙の中に何らかの粒子が織り込んである紙を用い、苔状のにじみを特徴としています。

一方の「大巧若拙」の方は水を多く含んだ墨で書かれており、文字から薄い墨が広く染み出しているのが特徴でした。

何を持ってこの手法を用いたのか、また意図的に行った技法なのかどうかの説明などはないので子細や背景は分かりませんが、これらも93歳の作品です。

「大巧若拙」の方はまさに名(題)が体を表している様にも思えます。 

 

作品を見ていて大きな感動は起こりませんが、その活動的な生き方には敬服します。 

 

笠岡市立竹喬美術館 清水比庵の世界 

~7/22(終了) 9:30~16:30 500円 

最寄りバス停は井笠バスの市民会館前です(本数が少ないのでご注意ください)。

 

なお、清水比庵の作品展は竹喬美術館で数年おきに行われているようですので、また近いうちに公開される可能性があります。