青森県立美術館 富野由悠季の世界 [青森]
十和田市現代美術館 加藤久仁生展 [青森]
加藤久仁生と聞いて誰だか分かる人は少ないかも知れません。
2009年に「つみきのいえ」でアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞した人と言えば少しは分かる人が増えるでしょうか。
「つみきのいえ」は15分程度のアニメーション作品で台詞や文字は一切ありません。
彩色についても最小限になってます。
しかし、描かれた主人公の仕草や余分なものを省いた構図などで、どんな国の人が見てもわかりやすい作品になっています。
本来、漫画やアニメーションはこういう省略やデフォルメの文化だった気がします。
今となってはデジタル化とともに細部への作り込みが顕著に行われるのが当たり前になっていますが、こうしたアニメーション作品とは一線を画した作品となっています。
「つみきのいえ」のストーリーは心温まる、それでいてもの哀しい作品です。
美術館には特設会場が設けられ、「つみきのいえ」などの作品を上映していました。
良作ですので時間のある限り見ることをお薦めします。
ちなみに筆者がこの作品に出会ったのは欧州へ行く飛行機での機内ビデオでした。
様々な国の人が乗る可能性のある飛行機で提供するのに最適の作品であり、妥当な選択であると感じます。
十和田市現代美術館はその名の通り、“近代”ではなく“現代”の作品を集めた美術館で、ここ数年に作られた作品が敷地の内外に展示されています。
体験型の作品もあり、見る人はただ受動的でいることは出来ず、それが特徴的で良い部分となっています。
作品が追加されるのも現代美術館ならではの取り組みとでも言いましょうか。
現に今の企画展の加藤久仁生氏が数回に分けて来館し壁面に絵を描いていくというプロジェクトが進行しています。
訪れたときは一部が既に描かれていましたが完成ではなく、これからどんどん追加されていくようです。
完成品だけを飾るのではない点がいいですね。
最終的にどのようになるのか楽しみです。
十和田市現代美術館 加藤久仁生展
~2012 1/9 (月、年末休) 9:00~16:30 500円
最寄り駅は十和田観光電鉄の十和田市駅です。
本数は少ないですが、最寄りバス停は十和田観光電鉄バスの美術館前です。
田舎館村 田んぼアート [青森]
シルバーウィークの青森は雨の多い日が続きました。
関東や西日本が30度を記録していたのに比べれば気温は23度と過ごしやすかったのですが、全体的に暗い表情の風景しか見られませんでした。
さて、田んぼアートという言葉を広め、各地の田んぼに波及させた田舎館村の田んぼアートが今年もきれいに描かれています。
今年のテーマは牛若丸と弁慶でそれぞれ色が異なる5種類の稲で作られています。
その精巧さは目を見張ります。
このアートの見学にはアート正面にある田舎館村の村役場の展望室を利用することができます。
天守閣を思わせるその建物は苦笑してしまうような、センスがあるとはいいがたいものですが、最上階の展望室から見るアートは非常にインパクトのあるすばらしい作品です。
このアートの特筆すべき点はこの役場の展望室から見るのにあわせてアート自体が歪んでいる点です。
近いところはそのままの形ですが、遠景になるにつれて間延びするように作られています。
そのため、航空写真で見るとはっきりと歪んだ形が見られます。
(役場にもその航空写真は飾ってあります)
実際に見るまで知らなかったのですが、非常に頭を使った凝った作品なんですね。
巨大なこの作品は写真に収めるのにも一苦労です。
こんな素晴らしいアートも10/3に稲刈りをして見られなくなってしまいます。
見たい方はお早めにどうぞ
来年はどんな作品を作り出してくれるのか、それはそれで楽しみですが。
田舎館村田んぼアート 役場天守閣開放
9:00~16:30 要志納
最寄バス停は弘南バスの畑中です。
今年の12/4に新幹線の新青森駅延伸を控え、青森県では観光客誘致で盛り上がっています。