古代出雲歴史博物館 出雲大社展と常設展 [島根]
今年は伊勢神宮だけでなく出雲大社も遷宮の行われる年です。
現在5月の遷宮に向けて出雲大社では整備が行われています。
本殿に関しては既に建築が終わっており、独特の威容を感じさせていました。
その出雲大社の隣に古代出雲歴史博物館があり、現在は遷宮を記念して 出雲大社展が開催されています。
出雲大社にまつわる文書や江戸期の遷宮の様子などの資料が集められ公開されています。
その中の展示に大黒天像がありました。
現在の七福神の大黒様は小槌と袋を持ってにこやかな顔をした優しいイメージですが、展示されている平安時代の像は忿怒の形相をしています。
体型も七福神のイメージとは離れたスマートなものをしていました。
大黒天は実はインドの神様でしたが、「だいこくさま」という読みから大国主命と混同され同一視されるようになったと言われています。
そのため今回の出雲大社展でも大国主命に関連するとして展示される運びとなったようです。
しかしこの像、どこかで見覚えがあります。
そう思ったのも当然で、この一つ前の記事で筑紫観世音寺の宝物館を訪れていますが、 実はここに収められていた像なのです。
福岡から島根に移動した間に像の方も移動して再会となったようです。
この博物館はとにかく常設がボリューム満点で常設展だけでも楽しめ、じっくり見ると半日近くかかるかもしれません。
「雲太、和二、京三」と呼ばれた、巨大な建造物であったと推定されている平安期以前の出雲大社の再現コーナーもあります。
50メートル近い巨大本殿は実在したのでしょうか。
土器などの情報から存在したことを否定する気はないのですが、巨大な高層建築並みの柱が本当に調達できたのかだけが気になります。
インパクトの大きい建築物で平安時代頃まで存続していたらしいにもかかわらず、 文献的に白黒が付かないことも不思議でなりません。
地方に存在したがために1000年昔の話さえ伝わらないのが残念です。
他にも、一般的に寺社は明治維新で神仏分離され神社と寺が別な施設へと分けられたのですが、出雲大社においては江戸初期の段階で神仏分離が行われ神社の敷地から仏教関連の施設は排除されました。
それまで敷地にあった尼子氏によって寄進された三重塔は兵庫県に移築され伝えられているそうです。
また別の部屋では出雲大社以外の島根県の歴史が簡単に解説されています。
島根のたたらの様子を体験できるコーナーや一畑電車の駅や車両が再現されているコーナーがあり、後者は運転しているような気分にもなれます。
古代から現代まで島根の歴史を体感できる施設として非常によいものになっていると思いました。
余談ですが、伊勢神宮の遷宮は20年きっかりに行われますが、出雲大社の遷宮は60年きっかりに行われず、かなりアバウトです。
次回がいつになるかはその頃になってみないとわかりません。
はたして生きているでしょうか。
古代出雲歴史博物館 出雲大社展
~6/16(4/16,5/21休) 9:00~17:30
一般1000円 大高生500円 常設店とのセット:一般1300円 大高生700円
最寄り駅は一畑電鉄大社線の出雲大社前駅です。
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