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ヨシタケシンスケ展かもしれない 宇都宮美術館 [栃木]

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11/16付の読売新聞によると2010年代は絵本が盛況だった時代とのことです。表題のヨシタケシンスケさんの作品やノラネコぐんだんなど新しいキャラクター、作家の絵本がたくさん発行されました。それぞれの作品はひと目で作者がわかりますしキャラクターが立っています。一方で、昔からの絵本作家が鬼籍に入られる時代でもありました。やなせたかし、安野光雅、かこさとし、錚々たる作家たちが亡くなるとともに、新作が出なくなりました。ちょうど入れ替わった時期なのかも知れません。

キャラクターに特徴のある絵本作家は美術展などが開きやすいのかも知れません。ヨシタケシンスケ展は宇都宮美術館を始め日本中を巡回しています。ヨシタケシンスケさんは10年くらい前に突然登場した人であったため、若い作家さんなのかと思っていました。実際はそんなことはなく、50代です。絵本作家前には様々な仕事をしていたようです。今回の企画展にも展示されていますが、大学時代は芸術の道を目指し、面白い立体物を制作していたようです。

ヨシタケシンスケさんの真骨頂はそのメモ力です。会場の壁一面に並べられたイラストと組み合わされたメモは圧巻です。日常に思いついたことを細かくメモをしているようで、それが絵本作品にも反映されているようでした。何よりもメモを書く継続力に驚きました。多くの人はひらめいたことのメモを逐一取ろうと思っても、なかなか形にはできないでしょう。さらに絵本制作にも緻密な分析力は生かされ、あらゆる可能性を書き出してストーリーを作っているようでした。会場ではその流れを読むことができます。絵本作家には思いつきを直に絵に起こすタイプもいますが、ヨシタケシンスケさんの作品は過程である設計図が肝だと思います。このような緻密な考察を繰り返しているからこそ、哲学のような絵本が誕生するのだと感じました。

会場は基本的に写真撮影自由です。ヨシタケシンスケさんのキャラクターが所狭しと並べられている他、動画や顔出しパネル、ボール投げ、トゲトゲ椅子など体験型のコーナーもたくさんありました。これならば絵本の主要なターゲットである子どもたちが来ても楽しめますね。美術展でありながらもテーマパーク的な作りでした。

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すべての展示の最後には、ヨシタケシンスケさんからのカードのプレゼントもあります。おみくじのような作りで、筆者の将来の職業は「名探偵」でした。嬉しいですね。

ヨシタケシンスケ作品は、年に数冊のハイペースで新作が登場しているので、今後さらに世界が広がっていく“かもしれない”。


宇都宮美術館 ヨシタケシンスケ展かもしれない

~12/24(月休) 9:30~16:30 一般1000円 高大生800円

なお、土日祝の入館は完全事前予約制です。

最寄りバス停は関東自動車の宇都宮美術館です。

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