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おふさ観音 風鈴まつり [奈良]

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夏本番の暑い日が続きます。

奈良県にあるおふさ観音では夏の風物詩である風鈴をたくさん飾った風鈴まつりが行われています。


橿原市には今井町という昔からの伝統的建造物群を伝える地域があるのですが、そこから少し離れたおふさ観音の近くの住宅街も和風の意匠を備えた風流な家々が並んでいました。

道も狭く、車の往来にも難渋しそうな作りでありますが、影を作るものもないので、この気候では歩くのも大変です。

往路は目的となるおふさ観音の位置が不詳であったため、迷宮に迷い込んだかの気持ちさえ起こりました。

事前に調べていた情報から、無数の風鈴が境内に備え付けられていると知っていたため、いざとなれば風鈴の音を頼りに到着するのではないかと思っていたのですが、実際はそんな事はありませんでした。

風鈴の音が明確に認識できたのは、お堂の建物が見えた辺りです。

十分風は吹いていたのですが、意外に風鈴の音は遠くに運ばれないのですね。


実際に門をくぐると辺り一面風鈴です。

正面の境内から、裏手の庭まで所狭しと風鈴が吊り下げられ、風が吹くと一斉に鳴り響きます。

その様子は秋の鈴虫のようでした。

風流か、心地よいかと問われれば、むしろ挑戦的試みと理解するのが適当かと思われます。


さて、このおふさ観音には生き人形というものが伝わります。

受付で拝観料を支払うと、本堂へ案内され、お寺に伝わる数々の仏様などを鑑賞させていただけます。

その中の一つが生き人形なのですが、これは明治の天才人形師の安本亀八による飯田喜八郎像です。

像自体は大きなものではないのですが、確かに作り込まれている様子が感じられました。

鑑賞のための懐中電灯も完備され、それを用いて細部を観察すると、髪の毛や目などがかなり緻密です。

最初に簡単な説明でも紹介された手の甲の静脈も明らかでした。

こうした写実的な像が、業績のある為政者や徳の高い僧でなく、町人であるというところが面白いですね。

崇拝の対象とすべき像は、良い部分だけを抽象的な表現で引き伸ばして造り上げるのが理想だということなのかもしれません。

それ以外にも本堂の特別拝観では、北向観音像や役行者像、御本尊などを一周しながら見ることができます。


酷暑すぎる気候は数多の風鈴でも対処が不可能であることが分かりました。

汗は引くことなくひたすら滴り続けました。

ところで、この風鈴たちは夜もそのまま鳴り続いているのでしょうか。

隣近所にはかなり響いてそうですが、近頃は夜もクーラーを点けるので締め切ってしまうため、気にならないのかもしれませんね。



おふさ観音 風鈴まつり

~8/31 7:00~16:30 境内無料、本堂特別拝観300円

最寄り駅は桜井線の畝傍駅です。

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