SSブログ

栃木県立博物館 鑑真和上と下野薬師寺展 [栃木]

ganjin.jpg

この展示は栃木県立博物館の開館40周年記念展です。古代の栃木県が注目される事象の代表的な一つである下野薬師寺をテーマに各種資料を展示しています。これまで、下野薬師寺は中央政府から流されてきた道鏡と組み合わせて展示されることが多かったのですが、今回は鑑真です。道鏡も鑑真も歴史上の重要人物なので間違えてはいけません。

鑑真は中国から何度も来日しようとするものの失敗が続き、最終的に日本に来たときには目が見えなくなっていた高僧です。奈良の唐招提寺を造った人でもあります。そして、日本に正しい仏教を伝え、下野薬師寺にも戒壇を設置しました。戒壇というのは僧侶になるための資格試験を行うところで、下野薬師寺は東国の国々分を担当していました。一方の西国は筑紫観世音寺で太宰府近くにありました。今回の展示では中央の東大寺も含めて、各地の戒壇設置寺院についても紹介されています。

展示は半分以上が文字資料で、それ以外に瓦や仏像があります。鑑真和上像はレプリカが展示されていました。むしろ、今回見て印象的だったのは道鏡像の方です。この道鏡像は彩色がキレイでリアルな造りです。イケメンとの声も出ていました。それもそのはず、製作年は令和2年、製作者はせんとくんで有名な籔内佐斗司です。制作当初の仏像はこのような感じで鮮やかでイケメンだったのかもしれません。

また、重要文化財の唐招提寺の薬師如来立像も印象的です。中央の間に本物が展示されているのですが、そこから少し離れた最後の方に平成時代に造られた模造が展示されています。これは欠損している手などが補完されている姿なのですが、すごいのはコンピューター技術を使って木の特性を調べ、本物と同じ場所に木の割れが現れるように調整されているとのことです。確かにそう見えます。ただし、部屋が離れているので、確認するためには何度も往復するのが大変でした。すぐに比較できるように配置されていれば、なお良かったです。

結構、気合の入った予告だったように気がしたのですが、思いの外、印象に残るものはありませんでした。まとめ上げるには難しいテーマだったのでしょうか。資料も少ないですし、日本史の大きな出来事にもほとんど絡んできませんし。安国寺に名前が変わったあたりで、安国寺がどのようなもので何をしたのかをもう少し掘り下げたら良かった気がします。

ちなみにこの展覧会は広い展示室全てを使っているために、通常の企画展時は見ることのできる自然系のミニ展示や収集物は見ることが来ません。

今回の展示のレストランの特別メニューは「チャイニーズプレート(1200円)」です。


栃木県立博物館 鑑真和上と下野薬師寺展

~10/30(月休) 9:30~16:30 一般1250円 大高生620円

最寄りバス停は関東自動車の中央公園博物館前などです。

nice!(0)  コメント(0)