清学院 in 堺 [大阪]
堺市の北部は道は狭いものの比較的昔の街並みが残っているようで風情を感じます。
鉄砲生産の名残なのかは分かりませんが、金属工場や刃物製作所なども多く見られました。
そんな街並みの中に清学院はあります。
周辺の中で一際古さを感じさせるこの建物は江戸時代後期に建てられ、現在は国の登録有形文化財に指定されています。
ここはかつて寺院かつ寺子屋だったところで、河口慧海が学んだ場所として知られています。
そもそも河口慧海という人は明治時代後期にチベットへ仏教の教典を求めて旅をした人で、初めて日本に詳細にチベットの様子を紹介しただけでなく、チベットに医学を伝えたなどの功績が語り継がれています。
しかしながら、生まれついてのお坊さんというわけではなく、桶や樽を造る仕事を生業とする家の出でした。
成長して学問に目覚めるのですが、その資質は幼少の頃に通ったこの清学院にあるのかも知れません。
現在建物の中には当時の子供が学んだときの様子が公開されており、年季の入った机が並んでいます。
決して広い訳ではないその空間では、今の学生より熱心な子供が集まっていたのかも知れません。
隣の部屋には不動明王が納められている厨子のある不動堂がありますが、訪れた日には公開されていませんでした。
特別公開などのときに御開帳されるそうです。
清学院の近くには河口慧海の生誕地の碑もあります。
しかしながら、住宅街の家と家の間に小さく存在しているため見落としやすく、だいぶ進んだ後に戻る羽目にもなります。
また挑戦的な事績のある河口慧海を町を挙げて推しているのが感じられ、最寄りの七道駅にも河口慧海の銅像が造られています。
今の時代にも、学問を進んで修めようとする心や未踏の地に向かおうとする志は見習いたいものであると感じます。
清学院
10:00~15:45(火休) 100円
最寄り駅は南海電車南海線の七道駅です。
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