国立歴史民俗博物館 文字がつなぐ [千葉]
佐倉にある歴史民俗博物館ですが、ここは常設展示がとても充実しています。
結論から言ってしまうと、これまで何度か来ているのですが未だ全てを見ることができていません。
年に数回の特集展示も並行して行われているのですが、今回は時間が無く全く見ることができませんでした。
企画展だけでもかなりの時間を要し、最後の方を駆け足で見たにもかかわらず数時間かかりました。
どうしてかと考えてみたのですが、テーマの設定が漠然として広く、展示資料が豊富なことが原因でしょうか。
今回は特に文字資料ということで、展示物を読み始めるといっこうに先に進みません。
今回の展示は日本と韓国の文字の交流に関する展示です。
メインは奈良~平安に掛けてのものですので、中国から伝わった漢字文化の話でハングルは殆ど出てきません。
よって、朝鮮半島出土の資料とはいえ、内容のだいたいは理解できます。
翻って考えれば、これこそが会話が通じなくても理解できるという漢字本来の役割であり、利点であるところです。
今回の展示の特徴はパネル説明や複製が多いところです。
海外の展示物を運ぶことは難しいでしょうから無理もないですが、それによって資料数が増える原因にもなった気がします。
さて展示の中身ですが、まず入口では原寸大の広開土王碑が出迎えてくれます。
教科書にも出てくるこの石碑がまさかこんな巨大な物だとは思っていませんでした。
天井に突き刺すくらいの大きさに驚きました。
また、貴重な国宝の「額田寺伽藍並条里図」 も展示されています。
合わせて当時の再現図も展示してあり、当時の地図の様子が分かります。
おもしろいことに使う染料によって生地の腐食が起こり、池や川の部分が局所的に抜け落ちているのが分かります。
一体成分は何だったのでしょうね。
また正倉院文書についても詳しく説明されていて、戸籍が年ごとに写されていく過程で誤記されていくものも紹介されていました。
具体的に言うと、「部」という字が、おそらく“おおざと”のみを抜き出して省略型としていた物が、やがて「マ」になってしまうものです。
書いてある内容を考えずに丸写しして宿題を提出していた学生時代を過ごした人にとっては耳の痛い話かも知れませんね。
その他にも見るべき所は沢山あります。
ちなみに、ホームページなどでピックアップされていた「偽漢字」や「国字」に関しての展示は少なく、広がりのあるものではありませんでした。
面白い分野なのでしょうが、資料が少ない上に学問的要素もないのでしょうね。
このように盛りだくさんの内容で、さすが国立歴史民俗博物館という感じです。
頻繁に行けると良いのですが、次に行って展示の続きを見ることができるのは一体いつの日になることやら。
国立歴史民俗博物館 文字がつなぐ
~12/14(月休) 9:30~16:00 一般830円 高大生450円
最寄りバス停はちばグリーンバスの国立歴史民俗博物館です。
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