今城塚古墳 [大阪]
天皇陵に指定されている古墳は基本的に発掘調査ができません。
しかしながら、その指定自体が怪しいものであり、指定から漏れたものがいくつかあるのではないかと考えられています。
高槻市にある今城塚古墳もそのようなものの一つで継体天皇陵ではないかと言われています。
そんな今城塚古墳の発掘調査が進み、様々な調査結果が隣接する今城塚古代歴史館で公開されています。
確かにたくさんの巨大な埴輪を見るとかなりの高貴な人物の埋葬された古墳であることが想像されます。
この古墳の目玉は周囲の一部に整備された埴輪の一群です。
円筒埴輪が囲むだけでなく、祭祀場と考えられる場所には当時の埴輪の並べられた様子が再現されています。
馬や家だけでなく鳥や牛もあります。
力士なんかもあり、相撲の歴史の古さを感じさせます。
それらが整然と並んでいる様子はとても圧巻です。
できたての古墳はこのように様々な埴輪で飾り立てられていたことでしょう。
そうした、異質な空間を作り上げることも権威の象徴だったのかも知れません。
あまりの精巧さと物言わぬ埴輪の存在感に興奮と畏怖を感じました。
夜になると2,3体動き出すのではないでしょうか。
さて、この古墳は今でこそ堀が埋まり墳丘の形もいびつなものとなっていますが、 これは安土桃山時代に起きた地震のせいだとのことです。
それまで古墳として残っていたものが地震で墳丘が崩れ、堀を埋めてしまったそうです。
人造物で幾分脆かったにせよ古墳が崩れるほどとは地震の力は怖ろしいですね。
次がいつ来るか分かりませんが、築造されたのが6世紀で安土桃山時代が16世紀であることを考えると、あと500年くらいは地震は大丈夫でしょう。
結局のところ本当に継体陵なのでしょうか。
現在指定されている継体陵は茨木市の太田茶臼山古墳です。
今城塚古墳
最寄りバス停は高槻市営バスの今城塚古墳前です。
今城塚古代歴史館
10:00~16:30(月休) 無料
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