鬼ヶ城、おそるべし [三重]
「世界遺産の熊野古道」と言われると、どちらかと言えば山のイメージがあります。
しかし、この鬼ヶ城も世界遺産の構成要素の一つです。
海に突き出した山が自然の侵食によって不思議な造形を描いています。
上の写真に挙げたのは「千畳敷」と呼ばれる場所です。
おしゃれなテラスを思わせる空間でしたが、注目すべきはその天井で、風による侵食により蜂の巣のような模様が造られています。
目の前の大海原を見ながら何時間も過ごせるような、とても爽快な場所でした。
このように、鬼ヶ城はとても長閑な良い観光地だと思うかも知れませんが、そんなことはありません。
一言で言うと“恐怖”でしかありません。
東側からアクセスすると、最近できた鬼ヶ城センターのおしゃれな建物があり、観光地気分を盛り上げてくれます。
そして、記念写真を撮るようなスペースを過ぎ、整備された歩道を海へ向かって行くときには心の中はワクワクしかありません。
そして、到着するのが上記の千畳敷です。
まさに気分の高揚のピークです。
さて、ここからが問題です。
更に先へ進もうとすると、これまでの道とはうって変わって、道はあるのにはあるのですが岩に数十センチの道が削られだけのものが延々と続いています。
手すりもあるので、平常心で渡れば何も問題ないはずです。
しかし、それが難しい。
断崖絶壁の岩の直ぐ下に海が迫ります。
海に引き込まれる感覚さえ生まれます。
ただでさえ睡眠不足で訪れ、強い日差しにも当たり続け、クラクラです。
朝一だったので万が一のときの助けを呼ぶ人もいません。
「地震とか大丈夫かな・・・」
恐る恐る進みます。
しかし、気付いたのです。
この道を一時間近くかけて渡りきった後に待っているものは・・・一時間近くかけて帰ってくる行為であることを。
その結果・・・
諦めました。
その場所は“猿戻り”というところでした。
『わたしゃ、どうせ猿ですわ』
ちなみに、渡りきった後に北側のトンネルを通って戻ってくることも可能ですが、こちらは違う意味で怖いです。
夜中は通りたくないですね。
昼間でも薄暗く、寂しさに満ちています。
さて気を取り直して、海を諦め、城跡を目指して今度は山登りに挑戦しました。
鬼ヶ城センター敷地内のおしゃれな階段を登って山に入るわけですが、すぐに着くものと思っていました。
しかし、つづら折りが幾度も続き、階段の先が一向に見えません。
相変わらず睡眠不足で足元はおぼつかず、強い日差しも続きます。
その結果・・・
諦めました。
不完全燃焼甚だしい結果になってしまいました。
鬼ヶ城、おそるべし。
鬼ヶ城
最寄りバス停は熊野市市街地周遊バスの鬼ヶ城です(土日祝運行)。
2017-10-05 19:50
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